ピンクの小粒は魔法の小粒?
「ピンクの小粒は魔法の小粒」
下剤を飲めば食べても太らない、
まさに魔法みたいなもの。
過食嘔吐の後はいつもそう思って
下剤をたくさん飲んでいました。
摂食障害になると
ほとんどの人が下剤に手を出します。
理由としては2つ。
1つは、食べなくなることで
自然に排便ができなくなるため。
もう1つは、
食べたものをなかったことに
しようとするため。
私も、拒食症になったころから
下剤を使用するようになりました。
最初の頃は規定量の2粒でよかったのが、
毎日のように使っていると
2錠では効かなくなっていきました。
3錠、4錠と次第に増えていき、
最低でも6錠飲むのが当たり前に。
11錠飲んだ時はトイレから離れられなかった
記憶があります。笑
今回はそんな、
下剤の乱用・依存の恐ろしさ
についてお話しします。
①大腸メラノーシス
(大腸黒皮症)
大腸の粘膜にメラニン色素が沈着して、
黒っぽくなる状態のことを
大腸メラノーシスといいます。
黒くなるだけではなく、
大腸の神経の機能が悪化し、
自然排便が難しくなります。
原因は、
センナ、大黄、アロエなど
「アントラキノン」という成分を含む
大腸刺激性下剤を長期間飲み続けること。
アントラキノン系下剤は、
日本で使用されている下剤の
なんと約70%を占めています。
市販に売っている下剤、健康食品、
ダイエット食品・飲料のなかにも
含まれていることがあるため
注意が必要です。
しかしこれは、
下剤を使うのをやめればきちんと治ります。
やめて半年~2年ぐらい経つと、
大腸に沈着した色素も
自然に消えていきます。
ここでひとつ言えることは、
下剤をやめるのが早ければ早いほど、
大腸の機能は早く回復し、
後遺症が残る可能性も低くなります。
②脱水とむくみ
大腸刺激性下剤の常用や乱用で
心配される副作用は
脱水とむくみでしょう。
大腸で再吸収されるべき水分が
下剤の作用で体外に排出されてしまうので、
身体は水不足に傾きます。
私たちの身体にとって、
水分はなくてはならないものです。
この異常事態に対応した
ホルモンの働きによって、
下剤を常用・乱用している人の身体は、
非常にむくみやすい体質に変化します。
身体が慢性的な水不足に陥ると、
・肌はカサカサする
・顔色が悪くなる
・顔はむくみで丸くなる
・足が太ったように見える
というような、
美容を気にする女性にとって
非常に不都合な副作用が起こります。
③排便障害
下剤の常用は、
自力で出せない体質に
ますます磨きをかけます。
さらに、
下剤乱用により排便障害が生じると、
常にオムツが必要になることも。
下剤くらいで・・・
なんて思わないでください。
④流早産の危険
大腸刺激性下剤は子宮収縮を誘発し、
流早産の危険があると言われています。
妊娠中はもちろん、妊娠を希望する女性は
薬に対して慎重であることが大切です。
大腸刺激性下剤を含む便秘薬を
常用・乱用しているのであれば、
妊娠へ向けて、まず、
便秘薬を中止しましょう。
下剤を使うのが習慣化していると
薬を断つのは正直困難です。
しかし、
食生活を見直し、
生活習慣を改善することで、
便秘は解決します。
急に止めるのではなく、
少しずつ薬の量を減らすなど
工夫して改善していきましょう。
きっと、ほとんどの人が
やめたくてもやめられない
という状況に陥っているはず。
でも、下剤を手放すために、
ちょっとだけ勇気を振り絞ってみてください。
10年後に大腸に
ガンが見つかってからでは
遅いのだから・・・